2011年10月17日

Music China 2011 その2

 他、面白いものとしては、日本で話題のミニテューバ(F管&E♭管)。製造元がわかりました。面白いんですが… 品質的にあまりお勧めできない工場のものです。サテンシルバー仕樣もありました。

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 そしてこのケース。残念ながらユーフォニアム用は作られてゐないさうです。

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 こちらのセミハードケースのデザインも中々です。ただ、ロットの問題で、なかなか作って貰ふことが難しいです。最低でも數十個ですので、運賃と置き場所が問題になります。

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Music China 2011 に行ってきました

 上海で行はれた、(上海)国際楽器展覧会2011に行ってきました。今回は、JETAの小田さんと現地で合流できました。

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 さて、金管樂器全體の印象ですが、一昨年よりも「變な樂器」が減り、普通のモデルばかりになりました。そして、工場の数は相變らずのやうですが、販社が激増してゐました。工場が經營してゐると思しき販社も増え、さういふブースはラインナップが際立ってゐます。

 ユーフォニアムに關して言ひますと、大手工場4社ほどがシノギを削ってゐるかと思ひきや、他工場の製品も自社商品として販賣してゐる模樣。また、相變らず海外モデルのコピーはあるものの、獨自設計のモデルも出始めてゐました。しかも、そこそこの出來映えです。作りも大分良くなってゐます。2年前のやうな、10メートル先から「駄目だこりゃ」と思ってしまふやうな作りのものは少なくなりました。

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 コンペンセイティングモデルに関しては、クリアな音色と音程バランスがそこそこではあるものの、いづれのモデルも「深み」「豊かさ」がありません。吹いてゐて不安になります。

 この點、台湾のJUPIER の上位ブランドXOのユーフォニアムは、コンペンセイティング搭載で、深みのある、豊かな音色でした。音色はヤマハに近いです。プロユースに耐へられる樂器の域に達してゐるのではないかと思ひます。ただ、日本におけるXOと台湾におけるXOとでは、色々コンセプトが異なるのださうで、どうも日本で販賣することが、現状では難しいやうです。もし購入したい方がいらしたら、お取り次ぎ致します。展示品はラッカー仕上げでしたが、銀メッキ仕上げのモデルもあり、ヤマハのYEP-642Sより安く買へると思ひます。

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 中共製で、オリジナルのデザイン、そこそこの音色の良さといふ點で、なかなか良かったコンペンセイティングのモデルは、下の二機種。左のは中国で品質No.1と思はれる工場のモデル。YEP-621Sのやうに、第4ピストンが、第3ヴァルヴの枝管と2番管の間にあります。右のは、WISEMANN といふブランドで、北京交響樂團の首席テューバ奏者、ミッキー・ロブレスキー氏が開發に携はったやうです。日本でも幾つかの楽器店で、限定品として販賣されました(現在は入荷未定になってゐるやうです)。いづれも抜差管、ヴァルヴキャップは金メッキ、メインテューニングスライドトリガー装備です。どちらもお取り寄せできます(為替レートにもよりますが、20万円ぐらいでいけると思います)。

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 一方ノンコンペンセイティングのモデルは、明るめの音色に音程のバランスもそこそこなので、むしろ艶やかな響きも感じられて、よい出來のモデルが増えたと感じられました。

 といふことで、今、中共のユーフォニアムで買ひなのは、ノンコンペンセイティングのモデルでせう。特にBESSONの1000シリーズのやうな外觀のこのモデルが、なかなかの出來映えです。これは、すでに各國の廉価モデルのOEM生産もやってゐる工場が製造したものです。幾つかの販社で販売され始めたやうですし、先ほどのWISEMANNのカタログにも載ってゐました。

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 同工場のバリトン(4ヴァルヴ、これまたそこそこの音色と音程バランス)と共に、日本に連れて帰りました。耐久性やメッキの善し悪しなどは、これからわかるかと思ひます。ユーフォニアムは15万円程度、バリトンは12万円程度で行けると思ひます。以前に販賣したものよりも、ずっと出来がよいです。そしてなんと、どちらもサテンシルバー仕樣の對應も出來ます。

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2011年10月03日

アドルフ・サックスのサクソルンバス 1869年製

 アドルフ・サックスによる1869年製のサクソルンバス。これが觀たくてベルギーの樂器博物館まで行きました。

  Saxhorn Basse in B flat 4 piston valves
  1869年 バリ アドルフ・サックス製造
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 ポイントといふか、私的なメモ。

・「アドルフ・サックス」が製造した。
・サクソルンの特許取得は1845年(ベインズによれば)。
・1869年というと、既に特許取得から24年、第一回目の萬國博覧會(1851)を終へてから18年が経過してゐる。
・各國で發明された様々な金管樂器の影響が加はり、サックスの当初のモデルよりも洗練された可能性もある。
・一方、ベインズの「BRASS INSTRUMENTS」に掲載の、ロンドンのディスティン社による1849年頃のカタログ中の「Bass Tuba, with 4 Cylinders, in C」(ディスティンではベルが上向きのサクソルンをTubaと呼んでゐたやうだ)とほぼ同じ形状であることから、大きな外觀の変化はなかった可能性もある。
・既にドイツの樂器製造會社のカタログでも同種のサクソルンが見られるが、ベルの広がりが大きい。1855年のハロルド(C.G.Herold)、1867年のグリエール(Glier & Sohn)等(ハイドの「Das Ventilblasinstrument」)。
・サックスの發明(特許取得)当初のモデルについては、依然として不明。
・このモデルのわずか5年後には、ブレイクリーのコンペンセイティングを搭載したユーフォニアムが、Boosey & Co. 社で製造されたことになる。
・サクソルンバスとユーフォニアムとの分岐点は?

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 ベルギー、ブリュッセルの樂器博物館
 サクソルンのコーナー
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2011年09月29日

發動の機は周遊の益なり

 オランダ、ベルギーの旅から無事に歸國しました。今、困難な状況にはあるものの、むしろ身體の自由は効くので、こんな機會もまたとないかも知れないと思ひ、妻と行くことにした次第です。

 オランダは、大都市アムステルダムで市内散策、ゴッホ美術館の訪問、そして、片田舎のローゼンダールの樂器店を訪問し、以前から目をつけてゐたウィーンタイプのバスフリューゲルホルンを購入。

 ベルギーは、ブリュッセルで空軍の記念演奏會を觀覧しレセプションに參加、樂器博物館の見學、そして、アントワープの大聖堂を拜觀。

 ツアーで回れるやうな内容ではないので、航空券からホテル、訪問先のコンタクトまで、すべて自力で手配するしかありませんでした。しかし、それもこれも、インターネットといふ便利な道具のお陰で、なんとか實現できました。

 旅も終盤にさしかかり、アントワープのレストランで静かに食事をしつつ、以前から思ってはゐたものの、取りかかるのが面倒だったり、恐れがあったり、心配が先立って踏み出せなかったことを、やはりやらねばならないと思ふに至りました。

 私があと何年生きられるのかは、わかりません。私が自分なりに疑問を持って、私の中に蓄積されたものは、私といふ人間がこの世から消えてしまえば、消えてしまふものです。ですから、私といふ人間が生きた證を、この世に殘しておきたいと思ったのです。
 
心はもと活きたり
活きたるものには必ず機あり
機なるものは
觸に従ひて發し
感に遭ひて動く
發動の機は周遊の益なり

吉田松陰 西遊日記より


 もちろん、吉田松陰のやうな感じ方が出來たなどとは到底言へませんでせうが、圖らずも、そのやうな旅になりました。毎度ながら、このやうな旅に連れ添ってくれた妻に感謝してをります。

(って、一緒に竝んで撮った寫眞は、樂器屋のこれ一枚。しかも目をつぶってしまひました。申し譯ない。)
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2011年09月14日

言ある者は必ずしも徳あらず

 ある音樂家と稱する人物のブログを大分以前から讀んでゐて、その發想に、なるほどもっとも、鋭いと思ひつつも、ずっと何かが違ふと思ってゐた。しかし、その何かとは何なのかがわからず、もどかしく思ってゐた。

 それは實に根本的なことだった。この者の文章は、實感と言葉とが乖離してゐる。つまり、言葉が大げさなのだ。例へば、何かと新しい發見をする度に、すぐ「○○をすることはもう一生ない」「これまでものは全部捨てる」と、潔く言ひたがるのである。

 發見といふ感動を語るのに、いちいちそんな宣言をする必要などないのだが、なぜわざわざそんなことをするのか。彼が過去を大げさに否定してかかるのは、結局新しい發見を際立たせ、絶賛したいがためだと氣がついた。

 こんな輕薄な宣言など、後に臆面もなく撤回されるに決まってゐる、と思ってゐると、案の定、易々と前言が撤回される。この者の言ひ譯は、容易に想像がつく。かつて否定したあるものが、また新しい發見となったに過ぎないのだ、と。

 しかし、物事を本当に見極めたければ、どうして、思想が實生活によって打ち破られることを繰り返す、その複雑怪奇な己自身に眼差しを向けようとしないのか。

 物事の本質を見極めたやうなそぶりを見せながら、要するに彼は「俺、こんなことがわかる人間なんだぜ」といふ自己絶賛とその宣傳をしたくてたまらないのだ。その爲なら、大げさな自己否定のジェスチャーなど朝飯前だ。もはや、過去を否定しては一時も生きられないであらう己の姿に氣付くこともなく、孤高の自稱音樂家として、自己欺瞞を續けて生きるのだらう。

 何年もかかったが、やうやくそれが見えてきた。彼の心は子供のやうに鋭敏だが、彼は決して心の豊かな人物ではない。彼との生身のやりとりで、相當に不愉快な思ひをさせられることが多々あったのも、それで納得が行った。
 
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