引き續き上海の楽器展覧会からの情報です。
さて、私も愛用してゐる york ですが、中国でも取引がされてゐるやうです。
york は、Besson のドイツ工場だった Keilwerth(サクソフォンで有名)の製造によるブランドです。Besson ブランドを販売してゐた The Music Group が倒産し、Keilwerth から撤退をするわけですが、その際に遺った(買取または引受?)芯金やパーツを元に、york ブランドを起ち上げたとききます。ですので、Sterling のやうに職人が獨立したわけではないやうです。委託先の工場が、老舗ブランドの遺産を活かして、新しいモデルを開発してゐると言って良いのではないかと思ひます。
中国の代理店に、エミネンスの4052-2が展示されてゐましたが… なんだか少し違ふ感じがします。さう、ピストンキャップ、トリガーが、ヨーク獨特のブラックニッケルではなく、ゴールドプレートなのです。代理店の小姐に尋ねると、詳しくは判りませんとのこと。カイルベルト系列の全ブランド(木管樂器が中心)を扱ってゐる代理店の爲、金管にはちょっと暗いやうでした。展示されてゐる金管樂器は、ヨークのユーフォニアム一本のみでした。
試奏してみましたが、普段私が使ってゐるプリファレンスよりも、まろやかでとても吹き心地がよいです。しかし、長時間吹き續けるには、かなり無理をしてしまひさうな豫感がしました(ベッソンのプレスティージュのやうに)。
隣の會場には各國本家のブランドのブースがあり、そこに york も展示されてゐました。
エミネンス4052-1が展示されてゐましたが、例のパーツはブラックニッケルです(ラッカーにはどうも合はない(笑))。デカイ圖體の擔當さん(イギリス人っぽい)が、しょぼんと座ってゐるので、話しかけましたら、目覚めたやうに、詳しく教へてくれました。
どうやら、プリファレンスを基に、若干の手を加へたのがエミネンスといふことのやうで、
・メインテューニングスライドにトリガーを着けた。
・マウスパイプをヘヴィーにした。
・キャップをヘヴィーにした
と言ってゐました。そして、パーツの一部をブラックニッケルにした事については、「ああ、ブラックダイクが使ふから、ブラックニッケル」とのことで、これにはお互ひに大笑ひ。また、プリファレンスと見た目がほとんど變らないので、差別化を圖ったとも言ってゐました。流石にプレスティージュとの差別化とは言ってゐませんでしたね(笑)。
中国の代理店のブースにあったゴールドプレートキャップについては、展示してあったのは初期のプロトタイプだらうとのことでした。
ここでも試奏させて貰ひました。ラッカーモデルを吹いたのは初めてですが、これもいい感じです。素直にまろやかな音が出ます。ウチの會社のボスがコルネットを試奏しましたが、これいいね、と絶賛してゐました。
Copyright(C) 2009 岡山(HIDEっち) (PROJECT EUPHONUM http://euphonium.biz/) All rights reserved. 文章・画像の無断転載厳禁 | Posted at Oct.23 23:48
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