2009年10月27日

その他上海で氣になった樂器

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 ジュピターのサクソルンバリトンです。素直でとても良い音で、好感觸でした。しかし、殘念なことに、見た目に色氣が全くありません。

 高いお金を拂ってでも使ひたいと思ふモデルといふのは、機能的に優れてゐるだけではなく、見とれてしまふやうなデザインが備はってゐるやうにも思ひます。調和の取れた曲線が美しいベッソンや、いかにも精密機器らしい機能的なデザインのウィルソンは、見てゐるだけでもよい響きがしさうに思ふ人も多いでせう。

 例へば、前の記事で、あまり高い評價をしなかった、E社のドイツ式バリトンですが、擔當さんがかういふ可愛いらしい小姐だったりすると、なんとなく良い樂器のやうに思ひたくなるものです(をい)。

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 そして惡の獨裁國家のやうに言はれる北朝鮮の人も、こんな風に素朴で可愛らしくポーズ取ってたりすると、(前日ミサイル打ち込んできたにも關らず)なんだかいい國なんぢゃないのと思ってしまひさうになってしまふから困ったものです。

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  上海の平壌妙香館にて

 冗談はともかく、見た目の印象は大事ですね。さうさう、見た目と言へば、スゴイのがありました。

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 森三中かと思ひました。プロレスでもこんな感じの三人組ゐませんでしたか? ついでにマーチングテューバも軽量化。

 こちらは、一見普通のスーザフォン。でも近寄って見ると・・・

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 なんですか、これは。歸ったら、○○ビルの壁塗装を手配しなければならないことを思ひ出させてくれました。
 
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2009年10月23日

york の Eminence

 引き續き上海の楽器展覧会からの情報です。

 さて、私も愛用してゐる york ですが、中国でも取引がされてゐるやうです。

 york は、Besson のドイツ工場だった Keilwerth(サクソフォンで有名)の製造によるブランドです。Besson ブランドを販売してゐた The Music Group が倒産し、Keilwerth から撤退をするわけですが、その際に遺った(買取または引受?)芯金やパーツを元に、york ブランドを起ち上げたとききます。ですので、Sterling のやうに職人が獨立したわけではないやうです。委託先の工場が、老舗ブランドの遺産を活かして、新しいモデルを開発してゐると言って良いのではないかと思ひます。

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 中国の代理店に、エミネンスの4052-2が展示されてゐましたが… なんだか少し違ふ感じがします。さう、ピストンキャップ、トリガーが、ヨーク獨特のブラックニッケルではなく、ゴールドプレートなのです。代理店の小姐に尋ねると、詳しくは判りませんとのこと。カイルベルト系列の全ブランド(木管樂器が中心)を扱ってゐる代理店の爲、金管にはちょっと暗いやうでした。展示されてゐる金管樂器は、ヨークのユーフォニアム一本のみでした。

 試奏してみましたが、普段私が使ってゐるプリファレンスよりも、まろやかでとても吹き心地がよいです。しかし、長時間吹き續けるには、かなり無理をしてしまひさうな豫感がしました(ベッソンのプレスティージュのやうに)。

 隣の會場には各國本家のブランドのブースがあり、そこに york も展示されてゐました。

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 エミネンス4052-1が展示されてゐましたが、例のパーツはブラックニッケルです(ラッカーにはどうも合はない(笑))。デカイ圖體の擔當さん(イギリス人っぽい)が、しょぼんと座ってゐるので、話しかけましたら、目覚めたやうに、詳しく教へてくれました。

 どうやら、プリファレンスを基に、若干の手を加へたのがエミネンスといふことのやうで、

・メインテューニングスライドにトリガーを着けた。
・マウスパイプをヘヴィーにした。
・キャップをヘヴィーにした

と言ってゐました。そして、パーツの一部をブラックニッケルにした事については、「ああ、ブラックダイクが使ふから、ブラックニッケル」とのことで、これにはお互ひに大笑ひ。また、プリファレンスと見た目がほとんど變らないので、差別化を圖ったとも言ってゐました。流石にプレスティージュとの差別化とは言ってゐませんでしたね(笑)。

 中国の代理店のブースにあったゴールドプレートキャップについては、展示してあったのは初期のプロトタイプだらうとのことでした。

 ここでも試奏させて貰ひました。ラッカーモデルを吹いたのは初めてですが、これもいい感じです。素直にまろやかな音が出ます。ウチの會社のボスがコルネットを試奏しましたが、これいいね、と絶賛してゐました。
 
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2009年10月17日

中国製ユーフォニアムなど

 中国(上海)国際楽器展覧会 Music China 2009 に行ってきました。

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 會場は、上海新国際博覧中心で、最寄りの地下鉄驛から無料のシャトルバスが出てゐました。勿論長蛇の列ですが、共産主義國家中華人民共和國は、公共の場での秩序(治安)維持が重んじられてゐますので、横入りしようものならガードマンがどやしつけますし、バスの席分ぴったりに誘導されますので、意外にスムーズです。これは上海のあちこちで感じたことです。お陰で長い列も、氣にならなくなりました。

 管楽器は中國の各メーカーや販社・代理店で1フロア、各国のメーカー及び中國國内の代理店で1フロアと、大變な規模でした。

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 さて、澤山の氣になる樂器を試奏してきましたので、印象に殘ったモデルをレポート致します。日本に中國製の樂器が入り始めた頃に比べて、全體的に質が向上したことを感じました。また、マウスパイプレシーバーが一般的なラージシャンクかスモールシャンクに統一されつつある感じがしました。

・最上ランクのA〜最低ランクのEまで評價します。
・試奏したのは單體ですので、實際に入手した場合、個體差がかなりあるであらうことを豫めご承知おき下さい。
・同じ形状のモデルが數社で作られてゐるやうです。各種ルートで樂器を購入する際、こちらのレポートの樂器とは違ふ工場の可能性がありますので、ご注意ください。

■ A社のユーフォニアム(ベッソン967を元にしたと思はれる)

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 組み立て D パーツ數が多く、接合が平行ではない所多數。
 ラッカー B 均一ではない。
 ピッチ C ベッソンと同程度。
 音色 AB かなり良く、ベッソンが艶を取り戻したやうな感じがする。鳴りのバランスも、それほどストレスを感じない。
 特記事項 ラージシャンク。


■ B社のユーフォニアム(ヤマハのYEP-621Sを元にしたと思はれる)

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 組み立て AB 各管の平行が比較的保たれてをり、波打ってゐる箇所もない。同社の同一モデル複數の抜き差し管を交換しても、鳴りの變化が感じられない。スタッフもこの点を盛んに主張してゐたが、確かに出展したメーカーの中では、トップレヴェル。台湾のジュピターに迫る印象。
 メッキ AB 大変奇麗で均質だが、極部分的に荒れや錆が見られる。抜き差し管やキャップの金メッキは大変良い。
 ピッチ AB 大きな狂いはない。
 音色 AB ダイナミクスの幅がやや狭いものの特に問題ない。
 特記事項 ラージシャンク。恐らく海外の有名メーカーで既に採用されてゐる。國内でも販売されてゐるとも思はれる。正直な話、オリジナルモデルの販売を企畫したいと思った。


■ C社のユーフォニアム(ヤマハのYEP-321Sを元にしたと思はれる)

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 組み立て E このメーカーは、相変わらず品質が悪い。各管の平行が取れてゐない。抜き差し管のU字部がモナカ仕樣か、或いは接合した筒状パイプを曲げたやうだが、きちんと接合されてをらず、パーティーラインに凹みがクッキリ浮き出てゐる。また、ピストン本體のホール部分がガタガタで、トンネルパイプもパーティションがクッキリ浮き出てゐる。トンネルパイプとピストン本體を接合する半田が穴ぼこだらけ。
 メッキ B サテンシルバー部分は細かい部分が雑。抜き差し管のサテンゴールドは、面白い風合い。キャップ類のゴールドは奇麗。
 ピッチ AB 大きな狂いはない。
 音色 AB 建付が非常に惡いにも關らず、全體的に太めの音でよい響き。bがややあたりにくい。
 特記事項 ラージシャンク。本体サテンシルバー(ベル内部も)。抜き差し管はサテンゴールド、ピストンキャップはゴールド。二日間、粘りに粘って交渉し、サンプルをゲット。

 
■ D社のドイツ式バリトン(卵形 ミラフォンの54を元にしたと思はれる)

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 ベルの成型 C やや波打ってゐる。
 組み立て C 所々接合が平行ではない。
 ラッカー D 全體の50%位の範圍が薄く、年内にハゲさう。
 ピッチ C c1が低くe1が高いが、全體的に、それ程氣にならない。
 音色 B ドイツの舊ヴェルトクランク(東ドイツの量産モデル)にもう少しで届くやうな感じ。


■ E社のドイツ式バリトン(テューバ型 オリジナルモデル)

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 組み立て B 所々接合が平行ではないが、概ね良好。
 ラッカー B 均一ではない。
 ピッチ E C&Bどちらも第一ヴァルヴのバランスが非常に悪く、抜差管でも対応できず。
 音色 ? ドイツ式バリトンといふより、高音域のテューバといふ感じ。商品名も「小抱号(Mini Tuba)」となってゐる。このメーカーはテューバに力を入れてゐるせゐか。

 
■ F社のバリトン(ヤマハのYBH-621Sを元にしたと思はれる)

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 組み立て B 平行ではない部分があるものの、概ね良好。
 銀メッキ C 細かい部分に荒れがある。手垢の取れにくさからして、錆が早く出さうな感じ。
 ピッチ AB 特に大きなズレはない。
 音色 B ヤマハのバリトンに近く、大きな問題ないと思ふ。ただし、音のアタリが良くなかった。同モデルのラッカー仕樣は普通にアタる。


■ G社のサクソルンバッセ(クルトワのコンペモデルを元にしたと思はれる)

 組み立て B 平行ではない部分があるものの、概ね良好。
 ラッカー B 特に問題ないが、剥がれやすさうな印象。
 ピッチ AB 特に大きなズレはない。
 音色 C 決して悪くはないが、サクソルンバッセといふより、ユーフォニアムに近く、これでは持ち替へる意味がなくなってしまふ。

 

 
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2009年10月15日

上海速報

 ぐはっ!

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2009年06月23日

COUESNON のサクソルンバッセ その2

 ケノンのサクソルンバッセ monopole について、古いカタログを辿ってみました。

 1900年のカタログ 
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 monopole はケノンの最高ランクであり、5本のピストンを備へたモデルもあります。

 1934年のカタログ
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 1934年になると、monopole - conservatoire といふランクになります。

 6本のピストンヴァルヴを備へたC管のサクソルンバッセ、所謂フレンチテューバも1924年のカタログに登場してゐます。

 1924年のカタログ
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 第5ヴァルヴで半音下げることにより、#の多い調性に對應出來るといふことが記載されてゐます。

 1934年のカタログ
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2009年06月22日

COUESNON のサクソルンバッセ その1

 美女の次はオッサンです。オランダ海兵軍樂隊の古いジャケット寫眞です。

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 左のユーフォニアムがベッソンのニュースタンダード、右のサクソルンバッセがケノンの monopole です。どちらもサテンシルバーといふのが、また澁いですね。特にケノンのサテンシルバーはかなり珍しいです。

 このケノンのバッセは、フランス、オランダ、アメリカなど、廣く使はれてゐたやうです。かのゴールドマンバンドのバリトン(ユーフォニアム)奏者、ロジャー・スミス(Roger Smith)といふ方も使ってゐました。

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 1963年の廣告です。アメリカでは「Baritone X2179」として賣られたやうですが、ゴールドマンバンドでサクソルンバッセが使はれてゐたとは、驚きです。

 なほ、ケノンは今も細々とですが、往年の名器を製造してゐます。勿論サクソルンバッセもです。昨年パリを訪れた際、樂器屋に新品が展示してありました。

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 道路挟んだ工房にもケノンが…

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2009年05月08日

アライアンスのマウスピース

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 アライアンスのユーフォニアム用マウスピースは、肉が厚いので、抵抗を上手く味方につけると、効率の良い演奏が可能です。年季の入った楽器(特に肉厚の楽器)よりも、「新しい楽器向け」な感じがします。また、必要以上にきつい(堅い)アタックをしてしまう方や、吹いている時に舌が浮いてしまっている方には、あまりお勧めできません。

【ベッソンのプレスティージュをお使いの方】

 2か3がお勧めです。

 2は、現在販売中のプレスティージュに付属のマウスピースです。デニスウィックのSM3に相当し、ミード氏自身が使っているとのことです。大変大きいので、力任せに吹くと、荒い音になってしまいます。効率のよい奏法をしていないとキツく感じられるかも知れません。

 3は、デニスウィックのSM4に相当し、ミード氏が監修しています。SM4との決定的な違いは、カップ外部の肉の厚さです。楽器自体の抵抗が大きすぎると、この抵抗が邪魔になるかもしれません。うまく抵抗を味方につけると、無理のない、柔らかい響きがします。

【ベッソンのソヴェリンや他のメーカーをお使いの方】

 3aか4がお勧めです。

 3aは、現在販売中のソヴェリンに付属のマウスピースです。ドイツで製造された新しい型のソヴェリンにしっくりきます。他のメーカーの楽器でも、ブリティッシュな響きがするのが不思議です。

 4は、SM5に相当しますが、明るい響きで、コントロールしやすく、以前のソヴェリンや、ウィルソンなど、他のメーカーの楽器にもよく合う感じでした。プレスティージュ以外の方は、どれがいいか迷ったら、まずはこれをお求めになると良いかと思います。

 古いインペリアルやニュースタンダードには、4が最も適している感じがしますが、よりブリティッシュなサウンドを求めるなら、3aの方が良さそうです。

 詳しいスペックはこちらをご覧下さい → bareu.pdf
 
 以上、Saxhorn Depot のコラムより
 http://saxhorn.seesaa.net/article/118818801.html

 Saxhorn Depot では、アライアンスのマウスピースを各種在庫しております。
 
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2009年05月04日

ヨークのプリファレンス

 仕事の關係で、年代もメーカーも色々な樂器を試奏できるのですが、つくづく「試奏はあくまで試奏」だなぁと思ひます。

 ウィルソンのTA2900の中細管を入手して、なかなかいい鳴りなので、しばらく使ってゐましたが、周りからの評價は、Willson の均等な鳴りを評價する人と、いつものB&Hの澁い味はひを評価する人とに、眞っ二つ。兩方置いておければいいのですが、そんな金銭錢的余裕はありません。結局TA2900は、賣却となりました。ある人の言ったこの一言が決め手でした。

 「ベッソン系の樂器で吹いた方が、岡山さんらしい演奏だ」

 自分の體臭と同じで、普段の自分の演奏のにほひといふか、かほりといふのは、わかったやうでわからないものですね。

 とはいへ、私のB&Hも、最近の曲に「普通に」出てくるやうなややこしい譜面になると、どうもヨタヨタし出す始末。いや、毎日8時間ぐらゐ練習すればできるのかも知れませんが。やはりちょっと樂をするためには、新しい樂器も用意しておきたいと思ひ、丁度、ヨークの 3067 プリファレンスが入ってきたので、これを使ふことにしました。響きはベッソンに近く、レスポンスはかなり良いです。ピッチのクセもベッソンぽく、ある意味修正がしやすいです(笑)。

 しかし、人間あまり便利なものを使ってはいけません。トリガーに慣れすぎて、結局 York にも着けることにしました(取外し可能 → これ)。

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2009年04月25日

中古ユーフォニアム祭開催中

 大塚にオープンした楽器店「Saxhorn Depot」と業務提携し、ユーフォニアム祭開催中です。

 詳しくはこちら。

 Saxhorn Depot
 http://saxhorn.seesaa.net/

 PROJECT EUPHONIUM
 http://secohan-euph.seesaa.net/

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 ウィルソンのブライトシルバーモデル、ラッカーモデル、ゴールドプレートモデルが入荷しています。また、あのヨークのプリファレンスモデルも試奏できます(要予約)。他にも、B&Hのインペリアル、ベッソンのノンコンペモデル、ヤマハのYEP-321S、そしそして、話題のアライアンスのマウスピースも各種入荷しました。

 売れたらお終いの中古楽器。瞬発力が勝負です(ベッソンのプレスティージュが半日で売れてしまいました)。買取も強化中です。他社より高〜く買います。

 お問い合わせお待ちしております。
 
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2009年04月06日

ベッソンのドイツ式バリトン

 昨年、海外のオークションでベッソン製のロータリーフリューゲルホルンとドイツ式バリトンを見たのだが、まだ製品としてはラインナップされていないのかも知れない。フラフラとS.ミードさんのサイトを見たら、寫眞が出てゐた。

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  http://www.euphonium.net/
  ミードさんのサイトのギャラリーより引用

 第1ヴァルヴ・第4ヴァルヴの抜差管やマウスパイプの形状と、ベルの傾き具合からして、Wenzel Meinl(Melton)のバリトンによく似てゐる。

 ついでに、ローマ近くの博物館でフリコルノ・バリトーノを構へたミードさんの寫眞も見つけた。やはりベルが大きい。

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  http://www.euphonium.net/
  ミードさんのサイトのギャラリーより引用

 
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2009年03月31日

イタリアのフリコルノ・バッソ

  flicorno.jpg  flicorno02.jpg

 昨日、イタリアの RAMPONE & CAZZANI といふメーカーの、Flicorno Baritono らしき樂器が届いた。4ロータリーで、マウスパイプのレシーバーは細管、ボアサイズはドイツの Tenorhorn ぐらゐだが、ベルのフレアが巨大で、342mmもあってたまげた。なんだかドイツの Bariton がメキシカンハットをかぶったやうな塩梅だった。しかし、このデザインは面白い。第4ヴァルヴ枝管の巻き方は手が込んでゐるし、ロータリーレバーも星印入りと、冗談みたいなデザインだが、なんだかかういふ思ひ切ったデザインセンスといふのは、イタリア獨特なのかもしれない、とも思った。早速メーカーに呼稱を確認したいと思ふ。(追記:他社製品で確認したら、どうも Flicorno Basso フリコルノ・バッソのようですので、題名を変更しておきました。)

 といふことで、イタリアの中低音金管楽器について、少し考へてみたい。

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タグ:フリコルノ
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2009年03月10日

セルマーの電気サクソフォンシステム「Varitone」

 THE中古楽器屋さんのコラムから、H&A.Selmer の「Varitone」といふアルトサックス。こんな楽器があったのですね。

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  畫像はTHE中古楽器屋さんから拜借しました。この畫像だけだと、「へ? サックスにマイクとアンプ着けただけぢゃん」と思はれるかもしれません。とんでもない! 詳しくは、是非上記コラムを讀んで下さい。畫像も澤山掲載されてゐます。ケーブルを内蔵するロッドなんか、まるで血管のやうです。男臭いコラムと細部にわたる畫像に、なぜでせうか、すごくワクワクさせられ、終ひにはきっと泣きます(かな?)。

 かういふ樂器を紹介できるといふのは、樂器屋冥利に盡きるのでせうね。

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2009年02月07日

ウィルソンの3ヴァルヴコンペ+第4ヴァルヴ

 海外のオークションを見てゐましたら、ウィルソンの變ったモデルがありました。

  unknown.jpg

 第3ヴァルヴのコンペンセイティングに、シングルの第4ヴァルヴを装備したモデルです。F管がシングルといふことになのますので、なんとなく低音の抜けが良ささうな氣がします。E(ITEA表記)より下の音は、普通の吹奏樂團でやる曲には、ほとんど出てきませんので、FやEの音抜けや響きを考へると、ソロ曲をあまりやらないのであれば、この構造もよい「かも」しれません(やはり吹いてみないと判りません)。

 膽心の型番ですが、ウィルソンのサイトには、載ってゐませんでした。

 調べついでに、久しぶりにウィルソンのサイト(http://www.willson.ch/)を見ましたら、随分變ってゐました。新品の直販も始めたやうですし、以前に問ひ合はせた際に「絶對作らない」と言ってゐたトリガーも、オプションで作って貰へるやうです。

 新しいモデルも出てゐました。ブリティシュタイプのTA2960には興味があります。

  ta2960.jpg
  TA2960 WILLSONのサイトより

 また、TA2900やTA2950と同じ外觀で、ベルが二枚取り成型の2905や2955といふモデルもあるやうです(TA2900、TA2950は一枚取り)。色々やってるのですね。

 私も、最近はB&Hの他にウィルソン(TA2900)を吹いてゐます。「ポーン・ポーン」とした音が心地よいですね。
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2009年01月09日

左利き用ユーフォニアム

 大分前なのですが、事故で右手が不自由になった方から、もし左手で操作出來るユーフォニアムがあったら教へて欲しい、との要望を頂いてゐました。かなり月日がたって、私が中古樂器の取り次ぎを始め、ところは遠くオランダで見つけ出しました。

 コルトワ製、左利き用ユーフォニアムです。ちゃんとコンペンセイティングシステムも装備されてゐます。

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 コルトワの167を基に、ピストン左手操作用に改造したものです。

  courtois167.jpg Courtois No.167

 もちろん中古で一本きりでしたので、これ以降は、他社のモデルを含め、全く見つかりません。もし改造をお考への方がいらしたら、參考になさってください。
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2009年01月01日

ヴァークナーテューバのヴァルヴは左手操作だが・・・

 新年あけましておめでたうございます。
 本年もよろしく御願ひ申し上げます。

 さて、新年一發目は、大晦日のテレビ放送からのネタ。

 NHK教育の「クラシック・ハイライト2008」を觀てゐた。丁度ヤルヴィ/フランクフルト放送交響楽団によるブルックナーの「交響曲 第7番」が放送されてゐた。

 神々しいテューバ(Tenortuben, Basstuben)の音色に聽き惚れつつ、畫面を見ると、ベルの向きがコントラバステューバと一緒であることに氣づいた。はて、ここはヴァークナーテューバ(Wagnertuben)だよな、と思ひ畫面を凝視すると、テノールホルンやドイツ式バリトンのやうに、確かにベルの向きが逆だ。

 ヴァルヴの操作はと言ふと、ベル側でなく、ベルの反對側で、普通なら樂器を支へる左手で操作してゐる。抜差管のレイアウトは普通のホルンにそっくり。勿論マウスピースはホルンのもの。

 さすがはハイビジョンで、刻印もクッキリ。この刻印一昨日DACで見たやうな氣がする。早速ネットサーフィンしたら、どうも E.シュミット(Engelbert Schmid)のものらしい。

Waldhörner Engelbert Schmid GmbH
http://www.corno.de/schmid/index.htm

 本家のサイトでは、どうも畫像が變形してゐるやうなので、他サイトの畫像を引用する。

The Engines of Our Ingenuity
No. 2341: WAGNER'S TUBA
http://www.uh.edu/engines/epi2341.htm

  schmid_tuba2.jpg  上記サイトに掲載の畫像

 こちらのサイトにも、ラインナップの畫像と詳しい解説がある。

Osmun Music Online
http://www.osmun.com/
http://www.osmun.com/prod/Schmid/schmid_wagner_tubas.htm

  schmid_tuba3.jpg  上記サイトに掲載の畫像

 一般的なヴァークナーテューバはこのやうな感じ。

  alexander_tuba.jpg  アレキサンダー製

 ベルの方向をテノールホルンと同じにしたのは、ベルの指向性をコントラバステューバと一緒にしたかったからなのだらうか。またヴァルヴのレイアウトからすると、やはりホルンに近い吹奏感を得たかったといふことなのだらうか。

 演奏が困難と言はれるヴァークナー・テューバにも色々工夫がされて來てゐるやうだ。
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2008年12月17日

カリソンのユーフォニアム

 またまたグランド楽器さんのセールから。

 なんとイタリアのカリソンのユーフォニアムです。以前に、インプレッションのコーナーに載せたのですが、あれから5年、ついに販売するお店が出てきました。

 画像はグランド楽器さんより拝借

  kalisonEu.jpg  577,500円(税込)

  kalisonl01.jpg  441,000円(税込)

 トリガーの形状が工夫されてゐます。カリソンはB&Mに買収されたと聞いてゐますが、入荷はB&M経由だったのかもしれないですね。

 前の記事のB&Mもさうですが、全て一本きりださうです。いやぁ、どんな音がするのでせうか。吹いてみたいですね。是非年末にでも行ってみたいものですが…(う〜ん)

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2008年12月16日

BOEHM & MEINL のユーフォニアム

 神戸のグランド楽器さんで、アウトレットセール開催中です。

 なんと、ドイツのベーム&マインル製のユーフォニアムが販売されてゐました。グランド楽器さんの特注試作品とのことです。見事なベッソン型ですが、メインテューニングスライドやU字管、2番管が半月型に近くなってゐたり(メルトンの新モデルもさうでしたが、最近の流行?)して、色々工夫がありさうです。

 画像はグランド楽器さんより拝借

  bmeu01.jpg  787,500円(税込)

  bmeuh02.jpg  876,750円(税込)

 B&Mは、ユーフォの世界では、あまりメジャーではありませんが、テューバでは有名です。YORKテューバを造ってきてゐまして、技術には定評があります。なんといっても、かのマイスター、W.Nirschel氏が造ってゐます。氏はこれまでスターリングなどでも受注生産のユーフォニアムを設計してきましたが、B&Mの工房に落ち着いたやうで、これからの活躍が期待されます。
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2008年12月08日

コルトワ製フレンチテューバ

 コルトワのC管サクソルンバス(フレンチチューバ)を入手しました。売り主によれば2004年製だとのことです。確かにすばらしい状態なのですが、刻印が古いので、謎が殘ります。ドイツ工場で作ったのではなく、フランス国内で受注生産して、古い刻印を打ったのか・・・ 古い雰圍氣を出すために、古い刻印を打ったのか・・・ それとも、本當に古いものなのか・・・

 今度のはラッカー仕上げで、第3ヴアルヴは2音下がります。前から持ってゐた銀メッキの方は、浜松楽器博物館へ行くことになりました。お別れの前にツーショットです。

two_frechtuba.jpg
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2008年12月04日

ベッソンC管のユーフォニアム

 ベッソンの765Cといふ、カタログにない、C管のユーフォニアムを入手したといふことを以前に書きました。B管の765の方をお預かり出来たので、兩方の寫眞を撮ってみました。

  bc.jpg
  左がC管、右がBb管

 吹き比べてみますと、C管の方が、かなり明るい響きがしました。音の出も、C管の方が幾分かはっきりしている感じです。
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2008年11月15日

楽器地球儀 世界の民族楽器

 おもしろいサイトを見つけました。寫眞家、藤倉明治さんのサイトです。

 世界の民族楽器 楽器地球儀
http://www004.upp.so-net.ne.jp/amfujikura/

 藤倉さんは、雑誌等で人物寫眞のお仕事をされながら、訪問先の各地で民族楽器の撮影を重ねてこられたとのこと。「博物館に展示してある楽器ではなく、現実に演奏されている生きた楽器と演奏者に焦点」をあててゐるさうです。

 毎週土曜日に新しい作品が、一枚ずつ掲載されています。樂器の奏でる音樂が聽こえ、その場の雰圍氣(にぎやかなのか、静まりかえっているのか、なごやかなのか、など)が傳ってくる作品ばかりです。樂器圖鑑とはまた違う楽しみがあります。

 ドイツ式バリトンも掲載されてゐました。
http://www004.upp.so-net.ne.jp/amfujikura/page045.html#lcn010
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