2007年07月14日

パッパーノ&ローマ・サンタ・チェチーリア管弦楽団

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 アントニオ・パッパーノ指揮、ローマ・サンタ・チェチーリア管弦樂團が來日、大成功を収めた模樣。プログラムにあるレスピーギ作曲の交響詩「ローマの松」(實はこの樂團のために書かれた)は、通常のオーケストラに加へ、舞台裏の Tromba 、そして 6パートの Buccine が登場する、壮大な曲である。

 出版されているスコアによれば、この Bucchine の編成は、

 2 Flicorni soprani in Si♭
 2 Flicorni tenori in Si♭
 2 Flicorni bassi in Si♭

 といふ指示があり、同族の円錐系金管楽器が割り當てられてゐる。しかし、最近までこれらは

 2 Trompet
 2 Horn
 2 Trombone

で演奏されることが多かった。近年、スコアの指示に従って、ユーフォニアムやドイツ式バリトンなどによる演奏が増え始めてをり、ユーフォニアム吹きとしては、どのやうな編成で演奏されるのかが氣になるところであった。

 今回のローマ・サンタ・チェチーリア管弦樂團のリハーサルから居合はせた佐伯茂樹によれば、交響詩「ローマの松」のバンダは、指示通り「ブッキーネ」と呼ばれてをり、フリューゲルホルン2、バリトン2、ユーフォニアム2で構成されてゐたさうだ。6人の内4人はこのブッキーネを擔當するためだけにローマから來たとのことである。なほ、バリトンはベッソンの3ヴァルヴ・コンペ(955)、ユーフォニアムは、ヤマハカスタムとベッソンのソヴェリンのようだったとのこと(ご本人に再度確認中)。ユーフォニアム奏者に「それはユーフォニアムですね」と訪ねると、「いや、これはバスフリューゲルホルン(Flicorno Basso を指す)だ」と言って譲らなかったさうだ。

 これらのいささか音抜けのよくない樂器をステージの三方(パートごと)に配置した「アッピア街道の松」は、進軍するローマ軍と、彼方で響くファンファーレとの遠近感が非常に良く表現されてゐた、と佐伯氏は絶賛。確かにファンファーレを派手にしたければ、從來のやうにトランペットやホルン(ヴァークナーテューバ)、トロンボーンなどで演奏した方がよいだらうが、そのやうなオーケストレーションが、果たしてレスピーギの意圖したところだらうか。なぜレスピーギはこの聞こえにくい樂器群をわざわざ指示したのか、パッパーノは、考へに考へたであらう。そして彼はスコアの指示に從ひ、素晴らしい演奏を實現した。

 これは、ユーフォニアムが登場したからといってはしゃぐユーフォニアム吹きに、音樂とは何か、ユーフォニアムとは何かを考へさせる、貴重な演奏であったに違ひない。

 幸い同じコンビによるCDが販賣されてゐるので、公演に行かれなかった人は、こちらでも樂しめる。

  roma.jpg

 パッパーノ指揮/ローマ・サンタ・チェチーリア/レスピーギ:ローマ三部作+夕暮れ
posted by 岡山(HIDEっち) at 18:06 | Comment(0) | TrackBack(4) | コンサート・ライヴ
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