Saxhorn Basse in B flat 4 piston valves
1869年 バリ アドルフ・サックス製造


ポイントといふか、私的なメモ。
・「アドルフ・サックス」が製造した。
・サクソルンの特許取得は1845年(ベインズによれば)。
・1869年というと、既に特許取得から24年、第一回目の萬國博覧會(1851)を終へてから18年が経過してゐる。
・各國で發明された様々な金管樂器の影響が加はり、サックスの当初のモデルよりも洗練された可能性もある。
・一方、ベインズの「BRASS INSTRUMENTS」に掲載の、ロンドンのディスティン社による1849年頃のカタログ中の「Bass Tuba, with 4 Cylinders, in C」(ディスティンではベルが上向きのサクソルンをTubaと呼んでゐたやうだ)とほぼ同じ形状であることから、大きな外觀の変化はなかった可能性もある。
・既にドイツの樂器製造會社のカタログでも同種のサクソルンが見られるが、ベルの広がりが大きい。1855年のハロルド(C.G.Herold)、1867年のグリエール(Glier & Sohn)等(ハイドの「Das Ventilblasinstrument」)。
・サックスの發明(特許取得)当初のモデルについては、依然として不明。
・このモデルのわずか5年後には、ブレイクリーのコンペンセイティングを搭載したユーフォニアムが、Boosey & Co. 社で製造されたことになる。
・サクソルンバスとユーフォニアムとの分岐点は?


ベルギー、ブリュッセルの樂器博物館
サクソルンのコーナー

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