確かに、円錐管系金管楽器をサクソルンと総称してしまふのは、何も彼だけではない。我が国の雑誌や専門書にもそのような記載がされてゐることもある。
しかし、そのお陰で、ユーフォニアムやテューバについては、これまで多くの誤解を生んできたし、今も正確に把握することを困難にしてしまってゐることは否めない。平素のお喋りであれば、使ひ慣れた言葉で表現すればそれで事は足りる(つまりパスタでもスパゲッティでもどっちでもよい)であらうが、物事を真面目に論ずるとなれば、やはり相応しい言葉を使ふ、発見する、発明することが、思索の第一歩だと思はれてならない。
海外の文献を読むと、Conical Bore Brass Instruments といふ括りが見られる。そこには、サクソルンも、他の国の円錐形金管楽器も含まれるのだ。これは、的を射た括りだと思ふ。そこで、円錐管の金管楽器は、そのまま円錐管系金管楽器と称するのが適切ではないかと思ふ。
サクソルンとは別の、ドイツやオーストリアの円錐管系金管楽器が、今も普通に彼の地の文化として根付いてゐるのに、これらを「サクソルン」と称するのは、やはり適切ではないだらう。
吹奏楽とブラスバンドは違ふ、といふことを理解し、使ひ分けることが出来る方なら、この違ひも容易に理解し、使ひ分けられるものと思ふ。
もし私が、蕎麦屋のおばちゃんから、「あなたブラスバンドやってるんだってね」と言はれたら、実は吹奏楽をやってゐても、普通に「はい」と応へるだらう。訪ねられない限りは、わざわざ吹奏楽とブラスバンドの違ひや言葉の用法など説明はしない。しかし、吹奏楽やブラスバンドをやってゐる人が相手であれば、間違ひなく「いいえ、吹奏楽です」と言ふであらう。
【ユーフォニアムの歴史と研究の最新記事】
Wikiに「サクソルンを含め、サクソルンから派生した楽器をサクソルン属と呼ぶ。リップリードの金管楽器で、音程調節機構の部分を除き、ほとんどが円錐管で形成されている楽器と考えて良い。サクソルン属には、コルネット、フリューゲルホルン、アルトホルン/テナーホルン、バリトンホルン、ユーフォニアム、チューバが含まれる」
というようにあるのですが、これは誤解を生む記述・説明と言っていいのでしょうか。
編集された方には惡いですが、ここまで來ると、誤解どころか…
察するに、ブリティッシュスタイルのブラスバンドで使はれる樂器を、サクソルン属に含まれる、と判斷されてゐるかのやうな印象を受けます。
了解しました。
が、なかなか難しいですね。
サクソルンの話とずれてしまいますが、吹奏楽って、管楽器と打楽器によって編成される合奏形態だと認識しておりますが、ウインド系、ブラス系、ジャズバンドなどのビッグバンドも吹奏楽の範疇を越えていないと思うのですが。
でも、スクールバンドの影響で、吹奏楽イコールウインド系バンドを連想してしまうのは仕方ないかもしれませんね。
どれも、吹奏楽の形態の1つに過ぎないと周りの素人の友人達には説明しています。
英国式金管バンドの方々は、吹奏楽と言われる事に拒否反応を示すところをよく見かけますけど、広義では外れではないと思われます。
ウインド系バンドをブラスバンドと一括りにされるのは、多少抵抗ありますが、そう言っている国もありますし、これも否定しきるのは難しいですよね。
要は、日本の偉い方々が、しっかりまとめてくれたらいいだけなのでしょうが。(笑)
運動会、各種式典から野球応援までを自前で演奏するにあたり屋外での演奏を強いられ、大音量を求められます。
また音楽的にサクソルンはバリサク、ホルンといった主に伴奏それも鋭いリズムを担当するのに対しユーフォニアムは朗々とした対旋律はもとよりメロディそのままも演奏する事が求められます。
ここでの円錐系うんぬんという言葉も当時ユーフォニアムの存在を知らない上で多楽器との比較と思います。
>ブラスバンドという呼称もそもそも小学校にある鼓笛隊(金管と打楽器)がベースではないでしょうか
大事なのは、さう仰る根拠はどこにあるのでせうかといふことです。もしかして、現状からの「思ひつき」ではありませんか? さういふことをしていただきたくない、といふのが、一連の私の文章の本意です。
なほ、吹奏楽団を「ブラスバンド」呼ぶのは、戦前から一般的だったやうですよ。戦前の映画に「会社のブラスバンドでラッパ吹いてました」といふ台詞があったりもします。戦前の吹奏楽の雑誌が「ブラスバンド」といふ名称だったりもしましたし。
>サクソルンはバリサク、ホルンといった主に伴奏それも鋭いリズムを担当する
そもそもサクソルンに「バリサク」(バリトンサックス?)や「ホルン」はないです。ですので、ご意見が支離滅裂になってしまってゐますが、何か勘違ひをされてゐませんか。それとも誤解される略し方をされてゐるのでせうか。バリサクはバリトンサクソルンで、ホルンはアルトホルンを指してゐるとか…
>ここでの円錐系うんぬんという言葉も当時ユーフォニアムの存在を知らない上で多楽器との比較と思います。
ですから、さうおっしゃる根拠が、今回のコメントではまるでわかりません。それに、「当時」とは、いつのお話ですか? ユーフォニアムの存在を知らないって、誰がですか? 「円錐系うんぬん」といふ面倒くささうな書き方からして、真面目に考へて下さってゐるやうにも思へません。
もし、私の見解が誤りだとしたら、どの部分が、何に基づいて誤りだと指摘されてゐるのかが、わかりません。その上、根拠の薄弱な異なる意見を出されただけでは、比較検討のしようもないのです。
意見は色々あってよいのです。ですが根拠が薄弱な意見と、きちんと裏をとってゐる意見とは、同列に扱ふべきではないのです。
厳しいことを申し上げましたが、結局皆根拠もなしに好き勝手なことを言って、真面目な議論がなされてきてゐないといふことが、一番の問題なのです。
バリサクはバリトンサックス、ホルンはフレンチホルンです
楽器の形状ではなく演奏する楽譜について述べたかったのですが、言葉足らずでした。