2011年07月31日

ジャズユーフォニアム奏者 Bernard McKinney (Kiane Zawadi)氏

 ジャズユーフォニアム奏者、Bernard McKinney (Kiane Zawadi)氏。フレディ・ハバード、ドナルド・バード、ペッパー・アダムス、サン・ラらなど、大御所とのセッションを繰り広げ、録音も多数であるにも関わらず、ユーフォニアム奏者にはほとんど知られず、ジャズファンはユーフォニアムだとは知らずに聴いてゐるといふこの悲劇。

 これを聴かずして、ジャズユーフォを語るなかれ!と言ひたいです。CDについては、こちらの「JAZZ EUPHONIUM CD REVIEW」をご覧下さい。

 JAZZ EUPHONIUM SQUIRE
 http://www.euphonium.biz/jazz/index.html

 氏の、新しい画像を見つけました。

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  (C) by Universal Temple of the Arts. All rights reserved.

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  (C) by Brooklyn Arts Council. All rights reserved.

 以上、楽器はベッソン・ニュー・スタンダード(3ヴァルヴ・コンペ)のフロントベルのやうです。

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  (C) by JazzA Day. All rights reserved

 奥のテューバは、ハワード・ジョンソン! 楽器はコーンの 20I Artist(3ヴァルヴ)のやうです。
 
 それにしても、渋い!
 
Copyright(C) 2011 岡山(HIDEっち) (PROJECT EUPHONUM http://euphonium.biz/) All rights reserved. 文章・画像の無断転載厳禁 | Posted at Jul.31 15:55 | Comment(1) | TrackBack(0) | ジャズ・ユーフォニアム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月28日

もう時効だと思ふので

もう何年も前、ある朝早く一本の電話。

「そちらで中古の○○買った者だけど。」
「あー、その節は有り難うございました。」
「近くの樂器屋に修理に持って行ったらさ、部品が違ふって言はれたよ。」
「は? どの部分ですか?」
「いやさ、△△と▲▲とのデザインが違ってるんだよ。だからこれ、違ふ時代のを組み合はせて賣ったんだらうって。」
「いや、そのやうなことは斷じてしてをりません。」
「だってさー、その樂器屋がさう言ってるんだよ。修理もやっててさ、樂器には詳しいんだよ。」
「さうですか…。当方は海外から中古の状態で仕入れてをりますので、万が一ですが、前の持ち主さんが、パーツの交換をしたといふ可能性が全くないとは言えません。どうしてもお気に召さなければ、ご返金させていただきますが…」
「いや、別にいいんだよ。こっちも画像とか見て買ったんだし。たださー、樂器賣ってんなら、ちゃんと見とけよって言ひたかったんだ。じゃ」

 それで、再度販賣寫眞を凝視してみた。確かに似たやうな部品同士の、細かな部分の相違はあるが、これはもともと「かういふもの」で、時代の違ふものが取りつけられてゐるわけではない。念のため、新品も含め、同じモデルの別の寫眞を數枚確認するが、今回のものと同じ仕樣。

 結局その樂器屋の店員が、確認もせず、元々違ふ形状のパーツなのに、自分の想像で「違ふ時代のパーツ」だと言ったことになる。

 迷惑な話で、今も思ひ出すだに腹が立つのだが、その電話できちんと説明できなかった自分も未熟だった。せめて、一旦お電話を切って、自分でよく確認してから改めてお電話するべきだったと思ふ。
 
Copyright(C) 2011 岡山(HIDEっち) (PROJECT EUPHONUM http://euphonium.biz/) All rights reserved. 文章・画像の無断転載厳禁 | Posted at Jul.28 18:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月26日

演奏者と知識

 先日、あるオーケストラでチェロを演奏してゐるプロの方とお話する機会があった。

 その方から質問。「マーラーの交響曲第7番のTenorhornって本当はどんな楽器なのか」

 以前に演奏したさうで、そのときはユーフォニアムが使はれたらしく、どうもイメージが違ふと思ってゐたのこと。金管楽器奏者に訊いても、不明瞭な回答だったり、自信満々で矛盾した回答をしてゐたりして、要領を得なかったさうだ。

 そこで、マーラーのテノールホルン(テナーホルン)は、実際にドイツ、オーストリア、チェコなどの吹奏楽で使はれてゐる金管楽器であること、ユーフォニアムよりも輪郭のハッキリとした音色であることを話した。

 その方は、やや驚いた表情で、「今までの疑問がすべて氷解した」とご満悦の様子。

 そして続けて「なぜ、みんなこの質問に答へられないのか」とのこと。これは応へに窮してしまった。

 ともかくは、この手の中低音金管楽器は、国や地域によって違ふ楽器が開発されてゐて、役割は同じやうなものだが、それぞれ微妙に響きが異なること、そしてそれらの一つ一つをちゃんと聴いたり演奏した経験を持った人がほとんどゐないといふことを話した。

 その方は「自分達の楽器のことなのに、なぜ金管奏者は・・・」と、やや軽蔑の色をにじませてゐた。

 自分の担当する楽器についての正しい知識を探求するのは、ごく当たり前のこと。専門の教育を受けてきて、プロとして飯を食ってゐるにも関はらず、それを知らないといふのは、どうやら軽蔑の対象にさへなりかねないやうだ。この方も同業者であるからこそ、憂いてゐたのかも知れない。
 
 さて、ドイツ方面の音楽大学にはユーフォニアム等、この手の楽器の専攻がないと聞いてゐる。その為、日本でユーフォニアムを専攻した学生が、彼の地に留学するケースといふのは、かなり少ないのではないかと想像する。この手の楽器が活躍するレパートリーを生んだ地で学ぶ機会を失ってゐるといふことも、わが国でドイツ系の中低音金管楽器に関する不正確な知識がはびこってゐる外的要因なのかもしれない。

 それなら、ハンデがある分、より詳しく、正確に知らうと努めなければならない。数少ない、貴重なレパートリーであるなら、なほさらだ。それはマニアックとかオタクとか、軽蔑されるやうなことでは決してない。むしろ知らないことの方がよほど軽蔑の対象であるといふことを、この方とのやり取りで感じた次第。そして、これをどう読むかは、貴方次第。
 
Copyright(C) 2011 岡山(HIDEっち) (PROJECT EUPHONUM http://euphonium.biz/) All rights reserved. 文章・画像の無断転載厳禁 | Posted at Jul.26 12:19 | Comment(1) | TrackBack(0) | ユーフォニアムの歴史と研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月17日

セルパン入手!

 セルパンを入手しました。

 セルパンとは「蛇」の意味。教会音楽や、軍楽隊・オーケストラで最低音域を担う金管楽器として長く使はれました。

 本当は木をくり貫いたものを合はせ、外側に皮を巻いて作るやうですが、私が入手したものは、アメリカの愛好家の方が製作した樹脂製のものです。

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 フランスへホームステイしたときに見たテレビのコメディー番組で、普通のリビングの壁にセルパンが飾ってあって驚いてゐましたら、骨董品として飾る人もゐるんだと、ホストの家族の方が言ってゐました。

 マウスピースは、ユーフォニアムと同じくらゐの大きさで、音域もまさにユーフォニアム。音色はまだブーブーとしか吹いてゐませんが、現代の金管楽器で一番近いのは、ユーフォニアムでせう。この音域が、かつては金管楽器のバス音域であった(声楽のバスとほぼ同じ?)といふことを示してゐます。今のテューバから想像すると、音色も役割も異なってゐたと言ってよいでせう。決して貧弱なテューバだったわけではないのです。「古いから未発達」といふ無邪気な考へで見ると、本当の部分が見えてこないやうに思ひます。

 下ネタ含めて色々活用できさうです。飽きたらフランス人みたいにオブジェにできるので、大人のおもちゃとしてもなかなかいい買ひ物でした。

 そのうちかとうくんがテナーかアルトセルパンでも買ったら、セルパン二重奏でアンサンブルコンテストにでも出ようかと画策してゐます。セルパンアンサンブル、スーザフォンアンサンブル、この年になってもまだまだ挑戦したいことはあるものですね。
Copyright(C) 2011 岡山(HIDEっち) (PROJECT EUPHONUM http://euphonium.biz/) All rights reserved. 文章・画像の無断転載厳禁 | Posted at Jul.17 01:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | ユーフォニアムの歴史と研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする