運營の仕事もあり、チラ見程度しか出來なかったのが殘念です。試奏できたのもヤマハのみでした。ところがこのヤマハのブースに、色々面白いものが竝んでゐました。
■ ヤマハの新ユーフォニアム YEP-642S NEO
NEOは、ブリティシュサウンドを目指したモデルとのことです。ユーフォニアムは、既存のYEP-642Sを元に、ベルとU字管の厚みを増し、私の周りでもあまり評判のよくなかったサムレストパイプの形状を見直したモデルでした。
かうした變更點を訊かずに、まづ吹いてみました。素直でよい音と言ひますか、YEP-321SやYEP-641Sを思はせるような所謂「いい音」であることに違ひはありません。しかし、少しベッソンに近いやうな吹き心地がしたので、不思議に思ってゐたのですが、コンセプトを訊いて納得しました。勿論ピッチのバランスもよかったです。
■ 參考出品 テノールホルン
ウィーンフィルハーモニーのヤイトラーさんらと開發したモデルださうです。ノーラッカー、ゴールドブラス(ややイエロー氣味)でした。マウスパイプのレシーバーの末端がネジ式になってゐて、スモール、ミディアム、ラージの各レシーバーに簡單に交換できるやうになってゐました。面白いアイデアです。
「Rotary Baritone」と書いてありましたが、ベルサイズも管の太さも、明らかにテノールホルンです。ヤマハらしい素直な吹奏感のまま、テノールホルンのクリアで輪郭の鮮明な音色を實現してゐます。特定の音でちょっとロータリーが共振してゐるやうでしたが、ピッチはよかったです。
採算が合はず、商品化の豫定はないとのことでした。
■ ユーホニウム EP-101
戰後のニッカンが開發した「ユーホニウム」です。元になったモデルはアメリカのバリトンホーンと思はれます。一時期のヨークや、キングと合併する前のH.N.ホワイトに、同型のモデルがあります。
「首長ユーフォ」とか「エントツ」とかと呼ばれ、40代以降のオジサンたちには懐かしいモデルです。何とシルバープレートを纏って鎮座してゐました。
日本でユーフォニアムを製造してゐる唯一のメーカーが、かういふ風に展示に力を入れて、工夫してくれたことは、とても心強く、嬉しいものでした。