2008年05月14日

若い人のためのサテンシルバー講座 その4

 サテンシルバーと通常のブライトシルバーの音色の違いについては、よくわからない。「サテンのザラザラで、波形が変化し、独特の音色になるのではないか」と想像するのだが、果たしてそれがどの程度まで演奏に影響するものか。手元のYEP-321の二台(通常のブライトシルバーとサテンシルバー。ほぼ同時期に製造)でチェックしてみようかと思う。何か判ったら、またレポートしたいと思う。

 また「サテンのベッソンは、肉厚に作られてゐるので、なかなか簡單には鳴らない」という噂について書いておく。

 サテンを製造していた頃のベッソンは、サテンであらうとなからうと、今よりベルが厚く成形されてゐる。それでは、サテン加工するモデルの方は、本體をより厚めに作るのかといふと、ベッソンやB&Hに關しては「そんな製造コストがかかるやうことをするとは考へにくい」とのこと(ビュッフェ・クランポン、サーヴィスセンターのスタッフ談)。といふことは、ベッソン、B&Hの場合、通常のブライトシルバーのモデルよりも、寧ろサテンシルバー仕上げのモデルの方が肉厚が薄いといふことになる。
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2008年05月13日

若い人のためのサテンシルバー講座 その3

 この表面を拡大すると、このやうになる。

 satin_cornet.jpg
 參考畫像:BESSON NEW STANDARD Bbコルネット

 ザラザラしてゐると言っても、ザラザラが手に付いたりすることはない。作り方は色々あるが、ベッソンやB&Hの場合、「サンドブラスター」といふ手法で加工される。空氣壓を利用した機器を用いて、加工用の砂などを樂器表面に均一に吹き付けて削った後、銀メッキをかける。

 この方法は、加工の際に大量の微粉塵があがるので、加工する者の健康を害するおそれがある。ベッソン、B&Hがサテンシルバーを中止したのも、この爲ではないかと想像する。

 なほ、サンドブラスターによる加工の他に、「強烈な風壓で表面を削る」とか「ワイヤーブラシを使って、表面を削る」とかいふ手段がある。マウスピースのサテン加工や比較的小さな楽器(ヤマハのトランペットやコルネット)などは前者が用ゐられてゐるやうで、後者は海外のサキソフォンなどに用ゐられてゐるやうである。
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2008年05月12日

若い人のためのサテンシルバー講座 その2

 では、百聞は一見に如かず、サテンシルバーをご覧あれ。

 サテンシルバーのユーフォニアム

 どちらもヤマハのYEP-321だが、向かって左側がサテンシルバー仕上げで、右側が通常のブライトシルバー仕上げだ。サテンシルバーは、海外では「フローズンシルバー」「マットシルバー」などと呼ばれることもある。「サテン」は生地の「サテン」、「フローズン」は「凍った状態」、「マット」は「つや消し」など、外觀からそのやうに名付けられたといふことだらう。

 日本では「梨地」とも呼ばれる(梨のやうに表面がザラザラ)。「いぶし銀」と言ふ人もゐるが、これは、間違ひ。いぶし銀は、正に燻した銀の、黒ずんだ色を指すのであって、表面がザラザラであることを指すわけではないからだ。
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2008年05月11日

若い人のためのサテンシルバー講座 その1

 ベッソン、B&Hのサテンシルバー生産が終了したのは、1982年頃と思はれる(1981年のカタログには掲載されてゐるが、1983年のカタログからは姿を消してゐる)。既に26年も前のことだ。現在サテンシルバーのユーフォニアムを製造してゐるのは、ウィルソンだけで、それも受注生産らしい。このサテンシルバーに、一種宗教的とも言へるやうな強い憧れを抱いてゐるのは、30代後半以降の世代であらう。

 私もB&Hのサテンシルバーモデルを愛用してゐるが、若い方からは、「初めて見た」「どうやって加工したんですか」と言はれる。最も強烈だったのは「すごーい、ピンクのユーフォってあるんですね(20代女性)」「すげーあのユーフォ透明だ(男子高校生)」。さう見えたのでせうね(笑)。

 といふことで、サテンシルバーについて、ちょっと書いておかうと思った。よく知ってゐるといふ人も、案外誤解してゐる場合があるので、參考までに讀んでいただけたらと思ふ。
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2008年05月10日

樂器のヘタリ

  tenorhorn_player.jpg

 ユーフォニアム奏者の深石宗太郎氏へご挨拶に伺った日のこと。長年愛用されてゐたサテンシルバーのベッソンを見せていただいた。流石に凹みもなく、ベッソンの美しいフォルムに惚れ惚れとしてゐたのだが、深石氏曰く「吹き始めはいいんですけれどね。數十分すると、音が貧弱になってしまふんですよ。もう樂器がヘタってるんですね。」とのこと。

 樂器のヘタリについては、諸説紛々で、私はどうも確信が持てなかったのだが、つい先日、プロ奏者とアマテュア奏者とでは、樂器の扱ひに雲泥の差があるといふことに、今更ながらに氣づかされた。

 プロ奏者が樂器を吹いてゐる時間といふのは、一日にどれくらゐなのだらうか。毎日最低3時間吹いたとしても、年に最低でも1,095時間だ。この間、ピストンは常に擦り続けられ、樂器は常に振動させられ、管内は唾液や水蒸気で湿ったままだ。

 一方アマテュア(普通に仕事してゐる人)は、週に3時間しか吹けないといふ人も、決して珍しくない。もしこのペースでいったら、アマテュアは年に156.5時間程度しか吹いてゐない。

 この數値からしても、プロ奏者の實感する「ヘタリ」と、我々平々凡々なアマテュア奏者が論ふ「ヘタリ」が同じ土俵で論じられるわけがない。一日に1回風呂に入る人と、週に1回しか風呂に入らない人とが、同列に「浴室の耐用年數」を論じられないやうなものだ。

 少々飛躍するが、プロ奏者が「道具(Instrument)」として樂器を選ぶのと、アマテュア奏者が「趣味(Hobby)」として樂器を選ぶのとでは、根底的に異なるものなのかも知れない。
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2008年05月05日

Let's Band!! 元祖自由演奏会2008

 Let's Band!! 元祖自由演奏会2008 〜子供の日のウキウキ大合奏!〜

 行ってきました。しかも珍しく練習から(笑)。家族で樂器かついで遊びに行けるところなんて、さうさうないですから、とても貴重な場だと思ってゐます。

 ユーフォはこんな感じで、今回も大勢です(顏はまずいと思ったので、ボディ樂器だけ)。今回は、かなり吹ける方 or 節度のある方が多かったやうに思ひます。

  自由演奏会

 常用のB&Hのユーフォニアムと、B&Mのダブルベルユーフォニアムを使ひました。コルトワのフレンチテューバ(C管)は、譜面を見ても吹けない爲、休憩時間に遊ぶために持っていきました(折角なので、「展覧會の繪」の「ビドロ」を練習しました。)。

 久しぶりに、にじる。さんと會ひまして、ダブルベル(あちらはテューバのダブルベル)同士で記念寫眞。奏者二名、樂器二台、ベル四つといふ、珍しいショットになりました。

  ダブルベルユーフォニアムとダブルベルテューバ
タグ:自由演奏会
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撮影好調

 樂器積み込んで藝大に行って參りました。

  200504.jpg

 今回の書籍の爲に依頼されたのはピストン系ばかりでしたが、それでもこんなにあるんですね。ノーマルなユーフォニアムを見ると、なぜかホッとします(笑)。これでロータリー系まで入ったら、かなりややこしくなります(まぁそれが現状なのですが)。

 月末、ウィーンに行ってきます。あまり知られてゐないことですが、實はウィーンとユーフォニアムは、縁が深いのです。F.ゾンマーのゾンメロフォンを基に、F.ボックによって製作された、元祖「Euphonion」は、ウィーンにて特許の取得がされてゐます(1844年)し、そのスケッチは、ウィーン工科大学にあります。ブルックナーは、自身の「行進曲 変ホ調」で、テノールホルンとは別に「Euphonion」のパートを書いてゐますし、ウィーンの行進曲のスコアには、ドイツとは違って、しばしば「Euphonion」や「Euphonium」のパートが見られます。

 とは言っても、一應は新婚旅行ですので、あんまりディープにするわけにもいきません。さしあたって、

・美術史美術館(樂器博物館あり)
・ドブリンガー(樂譜屋)
・ナッシュマルクトの蚤の市
・樂器屋

を訪問豫定です。ユーフォニアムが生まれた國の空氣を、いっぱい吸いこんで來ることにします。何か収穫があるといいな、なんて思ふと、ワクワクしてきます。
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2008年05月04日

思ひつづれば

 このサイトを立ち上げてから、8年近くなるやうです。思ひ返すと、「自分の質問に滿足に応へてくれるサイトや資料がないのなら、自分でそんなサイトを作りゃいいぢゃないか」と思ったのでした。自分がかつて抱いた質問と同じ質問を持った人に資料を提供し、「なるほど、さういふことだったのか」と思へるサイトを作らなくてはなるまい、そんな風に思ったのだといふことを、つい昨日思ひ出しました。

 最初に取りかからなくてはならないと思ってゐたのは、「テナーチューバ」に関してでした。日本で「テナーチューバ」と稱されてゐる「テノールホルン」「バリトン」などを、畫像付きで紹介せねばならない。そしてそれぞれの役割を傳へなければならない。そんな風に、ノソノソとやってきました。

 近々、私の集めた楽器が、書籍に掲載されます。ありがたいことです。明日、撮影に、藝大へ行ってきます。
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2008年04月20日

普通の日記

 アレキのB管テノールホルン、ウィルソンのバリトン、B&Hのユーフォ引っ提げて、リハに參加。リハ前には、ダクさんでテノールホルンのコルクの交換とロータリーの應急調整(Nさん、毎度お世話になります)をし、その後、澁谷で山形から來た母方の親戚と食事。はい、明日擧式なので・・・ ってことで、頃合ひ見計らって中途退場。

 リハには午後8時頃から亂入。降り板の「たなばた」をやってゐたので、ドアの外で待機。そのうちクラリネットの一人がテューニングしだしたので、終ったなと思ってドアを開けると、丁度ロマンチックな部分が始まったところ。あまりのタイミングに、U女史を爆笑させてゐたらしい(「新郎登場!」って感じだったさうだ)。

 J.F.ヴァークナーの双頭の鷲の旗の下に」で、アレキのテノールホルン初合奏。パート譜にはテノールホルンとかバリトンとかがあるのだが、いかんせんオランダのデ・ハスケの譜面。テノールホルンがなくてもいいように作ってあり、これらの全パートが同じことをやる。ドイツのルンデルの譜面だと、また違ってくる。後者の場合、第2、第3テノールホルンは、後打ちばかり。他国の編曲譜と違い、ドイツ・オーストリア・チェコの響き(後打ちの面子が多く、裏拍が強調される)になるので、嫌いぢゃないが(笑)。

 リハ終了後、クラリネットセクションの婦女子から、お祝ひのプレゼントを頂く。明日クラリネット四重奏をやってくれる方々に「ヨロシク」とお愛想。てっきり私もなにか吹くものと思ってゐたらしい。本殿に繋がった部屋で披露宴なので、ラッパ系は演奏不可。って、演奏可でも、多分吹かなかった。ラッパ好きの私が、自分の結婚披露宴でラッパ吹いたって、「やっぱし」となるだけで、どうもそれが氣にかかる(他人の席なら喜んでやるのだが・・・)。やりたくないわけではないが、私の役割は、趣味を開陳するよりも、もっと別なところにあると思ったのだ。(勿論これは私が私自身の披露宴に對して思ふことだ。他の方がその方ご自身の披露宴で演奏すること、それについて批判してゐるのではない。念のため。)
posted by 岡山(HIDEっち) at 02:14 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記

2008年04月18日

またまた大發見!

 Munch.jpg

 かの有名なムンクの「叫び」に、實は!
 もう、何も言ふことありませんな。
posted by 岡山(HIDEっち) at 01:12 | Comment(1) | TrackBack(0) | ユーフォニアムの歴史と研究